お や じ の ひ と り ご と

2001 年 3 月 24 日(土)
 この冬は、ほんとに雪が多かった。那須に生まれて50年、子供のころにもこんなに多かった記憶はないな。
 とはいえ、道のはじに高く積んだ雪もようやく消えて春が近づいてきた。
 うちは酪農家、牛小屋には40数頭の乳牛がうまそうにいつも草を食ってる。
 子牛も毎月生まれる。この冬の寒さにも負けなかったなぁ。かわいいよ。
 さて、春がやってくる前に牧草の種を準備しなきゃならない。田植えのことも忘れずにだ。うちは田んぼもあるんだ。これからの季節は牛の世話と野良仕事に忙しい。冬の間に蓄えた力を全部出して励まなければお天道さんに申し訳ないからね。
 那須の春は、陽のひかりがやさしくて生き物がぐんぐんと伸びる季節だ。牛だって目が輝いてくるし、山草も芽を出し花をつける。かたくりの花、たらの芽、竹の子だって出てくるね。都会では見れない、採れない植物が那須には残っている。冬が厳しかったから今年の春はほんとたのしみだねぇ。
 ところで、うちのキャンプ場のことを少し書いておこうかな。
 うちはこの辺のキャンプ場の中でもちょっと変っているんだ。もちろんバンガローもあるしテントを張るサイトだってある。キャンプ場の設備はあるんだよ。
 でも例えばお風呂だけどね、去年若い女性のグループが利用してくれたとき、ついつい調子にのって牛乳風呂にしてあげた。うちは牛がいるから当然新鮮なミルクがあるわけだ。女性たちは大喜び。当たり前だね。あとで奥さんに叱られた。サービスし過ぎだって。また、同じ去年の暮れに年配のグループが訪ねてくれたときは、うちのばあちゃんが手打ちの蕎麦を実演してふるまった。素朴な味が好評でばあちゃんもうれしそうだった。じいちゃんだってまき割りの名人だ。その辺にころがっている木をつかって何でも作ってしまう。
 他にも近所には竹とんぼを作る名人、きのこ採りの名人、散歩の名人、ヨーグルト作りの名人などなどたくさんいる。
 うちは、自然、農業、牧畜にまわりを囲まれているから、町の人方に体験してもらうのが、土とお天道さんを感じてもらうのが狙いなんだ。料金は決めていない。お客さんと相談して決める。お客さんが何を望んでいるかを聞いてから相談する。もちろんキャンプ場に泊まらなくてもいいんだ。半日あれば遊べる。連絡もらえれば田舎の遊びをいっしょに考えるよ。


もどる